PierrotsJumeaux009jp

7. 城

7 – 1    城の入り口

空はすっかり晴れ上がった。
城の入り口に辿り着いて扉を見つけようと、あちこち探し回ったが無駄だった。
この城には、扉が全くなかった。
「驚きだ。がっかりさせないでくれ。」 とソレール。
「むしろ不可解。どうすればいいの?」 とリュネール。
「どうしようもない。マドモアゼル達、入り口の扉を教えていただけませんか?
扉はどこですか?」 
ソレールが、お喋りな鳥たちに尋ねる。
「雲の上
「雲の上
「雲の上」 
と鳥達が大合唱する。
「雲の上!!!
「小さいけど、これがネヴァーランド城に間違いない。確かだよ。」 とソレール。
「やっと、着いたね。僕達ふたりで。」 
ュネールが安心する。





めくるめく星     きらめく光彩

□□□(うた)だけが 道連れの 僕達に
どれほどの月日が 流れたことか

□□□.教えてよ    教えてよ
お喋りな 鳥さん達    教えてよ

NEVER-NEVER LAND  への
□□□□□□□□.道を教えてよ

7 – 2    国王

扉を探しても無駄だと分かり、
ふたりともシャトーの入り口正面にあぐらをかいて座り込んだ。
「やっと辿り着いたのに、シャトーの中へ入ることができない・・・・・・」
ソレール と リュネールは誰かの耳に届くよう願いながら詩を唄い始める。


厳しい 冬の夜  オリオンは
□□□□.僕達のヒーロー
太陽に 最も 近い国へ 行こうと
僕達に 語った     みあげれば
ブルー・グレィに かがやく 摩天楼
ラスト・スパートを かける 僕達に
確かに きこえる    
      今だ 走れ

陽が沈むと、お喋りな鳥達は、それぞれの家路を急いだ。
「サーカスを出発してからは、僕達には帰る家がない。」 リュネールは寂しそう。
「だから何だって言うの? ここで寝ればいいよ。」 とソレール。
「ライカがもういない。」 とリュネール。
「いつでもいるよ、思い出の中に。心にある大切な宝物。」 ソレールが呟く。
「寂しいと思うのは、私だけではないのだ。」 リュネールが呟く。

 


金の首輪を ひからせた 野牛(バイソン)が 

遥か アテーナイの都市に 刻まれた 
幸福の約束を 想いおこして 
□□□□□□□□□頭を もたげる

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半ば夢の中で
「質問があります。 あなたが、シャトーの国王ですか?
僕達の父上は偉い人なのですか? 僕達は国王の子供なのですか?」
とソレールが尋ねる。
何故か父上は大声で笑い出し、それからソレールに尋ねた
「お前さん達にとって幸福とは何だろう?」

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7 – 3    庭園で

翌日のこと、お城から少し離れた処に、
あたり一面に花々が咲き乱れる美しい庭園を見つけた。
「あそこで遊ぼう。」
見て! 桜が咲いている。」
ソレール と リュネールは大喜びで駆け寄った。

 

□□□.風に      のせて 
□□□□□.ちぎれて 
□□□.言葉に    よせて 
□□□□□.流されて 

優しい人   誰か  やさしい人 
□□□□□□□□唄ってよ 僕達の詩(うた) 

風となって  ひきさかれるまでに 
波となって  砕け散るまでに 
(うた)となって
海の彼方の大陸(くに)へ とどくまでに

おどってよ     ピエロさん 
□□いつものように     僕達の詩(うた)

囲碁:01