10. 鏡の間
10 – 1 鏡の間
ソレール と リュネールは、思い切つて冒険することにした。
恐る恐る少しずつゆっくりと、ふたりは大きな扉を開いた。
ひかり輝く鏡を張りつめた広々としたサロンの中にいた。
今ではすっかり一人前になった、ふたりの子供たちは、鏡の宮殿へと導かれた。
「なんて美しいのだろう、このサロン!」 とソレール。
「きっと、これは国王のサロンに違いない。」 とリュネール。
「どこの国王のこと?」 とソレール。
「鏡の間が、私の大事な宝物を映し出すと父上が夢の中で言ったけど、
宝物なんかないね。」 とリュネール。
「ほんと、ない。ない。 僕って、ずいぶん大きくなったもんだなぁ!」
ソレールが鏡の中の自分の姿を見つめる。
「私も、すっかり大きくなった! ここの鏡は鮮やかに姿を映しだす。」
とリュネール。
「父上は、何が言いたかったのだろうね?」 ソレールが自問自答する。
長い旅の間に擦り切れてしまった輝いてもいない衣装の
ソレール と リュネールの姿を鏡の間が映しだす。
「見て……. ひどい、汚らしい、靴下に穴があいている。
昔、私はもっと可愛かった。 これでは悲劇。 ” レ・ミゼラブル “。」
リュネールが泣き始める。
「アッタリマエの前だよ。僕達は大きくなったのだから
・・・・・ 君は、いつだってカワイイよ。」 とソレール。
「私たちは、国王の子なの。」 とリュネール。
「多分ね、僕たちが国王の宝物だよ。」
「ほんと、そうなのだと思う。 そう信じる。」
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□□□□□□□□□ミシシッピーの
迷路の果てに たどりついた
□□□□ロマンの扉を 開くと
□□□□.何千年もの 長い間
闇の中に 閉じこめられていた
妖精(フェアリー)や 魔法使いたちが
□□□□□□□僕達の いたずらな
チンカーベルの おどりに 導かれて
□□風に 舞う 華やかな
□□□□.銀鈴のように
いっせいに 飛びだしてくる
迷路は 仮装劇の舞台と 化して
□□僕達のドラマが はじまる
ミラーボールまわって
□□□□□銀鈴 なりひびき
いつものように 幕が あがれば
□□あふれる思いを だきしめて
□□くれないに ほお そめて
僕達は 真夏の やけつく
□□□.アスファルト・ストリートに
□□□□□□□□□とびだしていく
囲碁:02